行司の階級 その1
現在の行司の階級は下記の表のように8段階(庄之助と伊之助を分けると9段階)に分かれる。幕下以下は足回りがはだしではかまのすそを絞るので、十両以上のいわゆる資格者とは簡単に区別ができる。しかし幕下以下の階級間に外見の差は見られないので外から見ても区別できない。十両以上は房の色が違うので階級が分る。また三役以上は土俵上で草履を履くことができ印籠を持つ。さらに立行司は短刀をさしている。
階級 級色 足回り 装束
立行司(庄之助) 総紫 白足袋 草履 短刀、印籠
立行司(伊之助) 紫白 白足袋 草履 短刀、印籠
三役格行司 朱 白足袋 草履 印籠
幕内格行司 紅白 白足袋
十両格行司 青白 白足袋
幕下格行司 黒または青 素足 袴のすそをしぼる
三段目格行司 黒または青 素足 袴のすそをしぼる
序二段格行司 黒または青 素足 袴のすそをしぼる
序ノ口格行司 黒または青 素足 袴のすそをしぼる
階級色は団扇の房の色や菊綴(菊の模様を形取った飾り)が注目されるがそれ以外にも、烏帽子の紐、胸の飾り紐、袖口の紐、また糸の色にも用いられている。
現在の行司は足回りも違うが、それよりも階級色特に団扇の房の色が注目され区別される。しかし昔の行司は房の色も重要だが、寧ろ足回りが重要視された。また時代により少しずつ階級の認識が違いそうなのであるが、乏しい資料を調べてみた範囲では、昔の行司の階級を正確に把握することはできていないが、分かっていることや推測を交えて書いてみることとする。
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